私が幼い頃、レストランに連れて行ってもらえるのは、何か特別なことがあった時だけでした。普段外食すること自体があまりなかったのですが、その中でもレストランというのは、とくにめったに連れて行ってもらえませんでした。今でこそあちこちに、手頃な価格で食事ができる店がありますが、私が幼かった頃は、レストランというと高級なイメージがあり、店舗自体も数が少なかったように思います。当時の私の家の周囲にも、ほとんどありませんでした。
その特別な日というのは、例えば学校の入学式や卒業式、あと家族の誕生日などです。
入学式や卒業式などは学校が午前中で終わるので、昼食に食べに連れて行ってもらったこともあります。そんな日は朝から楽しみで、ワクワクしていました。そしてレストランでは何を食べようかと、行く前からあれこれ悩んでいたのを思い出します。でもいざレストランに着くと、結局いつもお子様ランチばかり頼んでいたように思います。当時の私には、お子様ランチが一番の贅沢な料理のように思えていました。
お子様ランチというのは、料理を盛っている器にも工夫を凝らしているものが多く、私が覚えている限りでは、乗り物の形をしたものやキャラクターをかたどったものなどがありました。そして料理自体も、子どもが大好きな揚げ物や旗の立ったご飯、そしておいしそうなデザートがすべて同じ器に盛られており、見ているだけで楽しくなってくるようなものばかりでした。大人になった今でも、たまにレストランに行ってメニューを開くと、ついお子様ランチに目がいってしまうことがあります。そして私の中では、レストランというのは今でもワクワクするものの一つです。